2025/09/05
このたび、足立区「絆のあんしんネットワーク」の取り組みの一環として平野1丁目アパートにて健康講座を開催しました。テーマは「運動と転倒予防」。多くの方にご参加いただき、骨粗鬆症を防ぐための運動習慣や転倒リスクを減らす工夫について、実技を交えながら学んでいただきました。
今回の講座でお伝えした内容の中心は、「骨と筋肉を守る運動の大切さ」です。骨はただの硬い組織ではなく、運動による刺激を受けて強くなります。特に、骨の長い方向に力がかかるような運動は骨芽細胞を活性化し、骨密度を高める効果があります。ウォーキングや軽いジャンプ運動など、日常生活で取り入れやすい運動を継続することが、将来的な骨折予防につながります。
また、骨粗鬆症が問題となるのは骨がもろくなることだけではありません。転倒によって骨折が起きやすくなることが大きなリスクです。特に大腿骨頚部骨折は生活の質を大きく損ない、5年後の生存率が約半分になるとも言われています。さらに、脊椎の圧迫骨折は強い痛みや姿勢の変化を引き起こし、日常生活に大きな制約を与えます。そのため、「転ばない体づくり」を心がけることが極めて重要です。
転倒を防ぐには筋力だけでなく、バランス感覚も欠かせません。片足立ちや骨盤を動かす体操などを行うことで、体幹の安定性が向上し、つまずきやよろめきに対応できる体になります。講座では実際に骨盤のゆがみをチェックし、簡単にできる骨盤運動を体験していただきました。「普段意識していなかった動きが大切だと分かった」「家でも続けてみたい」という声も多く聞かれました。
骨粗鬆症や転倒は誰にでも起こり得ますが、日常のちょっとした習慣でリスクを減らすことができます。無理のない範囲で運動を続けることが、健康で自立した生活を長く保つための第一歩です。私たちクリニックでは、地域の皆さまと一緒に「転ばない体づくり」を進めていければと考えています。
今後もこうした健康教室を通じて、生活に役立つ情報を分かりやすくお届けしてまいります。ぜひ日々の生活の中で、少しずつ運動を取り入れ、骨と筋肉を守りながら、元気で活動的な毎日を過ごしていきましょう。